るーみっくわーるど×押井守
本作が原因で押井守がアニメ監督を降ろされたとか原因は他にあるとか情報が錯綜しているが、所謂いわくつきの作品。
うる星やつらの登場人物が、自分の生きる世界は現実ではなく、夢の世界なのかもしれない…、と気づき始めるというストーリー。
現実と夢。
夢とは言わば創作上の虚構であり、創作物上の人物が、実は自身の存在は虚構であるということに気づくメタ的な構成は、最近はチョコチョコ見かける話ではあるが、明確なゴールがない日常系アニメでソレをやってしまうとは、中々残酷。
それにラムちゃんと諸星あたるが結ばれたら、ゴールや最終回に値するのだから、話を存続させるためならば、その日は永遠にやって来ない。
そんな日常系ラブコメの手痛い裏を突いてくる話で、非常に興味深かった。
永遠に続くと思っていたサトシのポケモンマスターへの旅だって、その夢が達成されてしまい、終わってからもう一年経ってしまっている。
まだ僕らとずっと走り続けているキャラクターたちだって、いつかは安住の地を見つけて我々の下から去って行ってしまうのかしら。