メシと映画のK佐藤

ローズマリーの赤ちゃんのメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

Xのフォロワーさんがベスト映画三選として挙げられた内の一本であったので、Blu-rayを購入して鑑賞。
尚、何かとお騒がせなポランスキー監督作品である事を当初は知りませんでした。
と言っても、お恥ずかしい話、ポランスキー監督作品を鑑賞するのは、「ゴーストライター」に続いて2本目。
そんなニワカのレビューです。

「ゴーストライター」同様に衝撃的且つ後味の悪いラストではありましたが、観客に中々結論をつけさせない作りが巧かった事と、余韻に満ちたラストが用意されていた秀作でした。

妊娠のストレスによるローズマリーの妄想か、悪魔崇拝者達による謀略なのか中々観客に判断させない作りが兎にも角にも巧い。
結論は後者であった訳ですが、新居であるアパートの噂話、前住居者の謎の書き置き、ローマン夫婦の養女の自殺、親しかった友人ハッチの死と彼がローズマリーに遺した悪魔に関する書籍等々、「もしかして本当に悪魔崇拝者達が自身の子供を狙っているのか」と思わせる数々の違和感の設置のタイミングが秀逸で、これらが単なる偶然と思わせる余地もある。
この構成が実に巧みで、最後迄観客を引っ張って離してくれません。
上述の違和感や、ローズマリーの見た夢、前住居者が昏睡の上眠る様に逝ったと云う死因等々悪魔崇拝者達の謀略であったと云う結論に至る布石打ちも完璧でした。
ここら辺は、冒頭で述べた「ゴーストライター」でも見られた話の組立方に通ずるものがあるなと感じた部分です。

自身の赤ん坊が悪魔の子である事に衝撃を受ける(奇怪な目を持つ事を直接的に見せずローズマリー役の演者さんの表情のみで怖さが伝わる演出が見事!)も、我が子を抱くローズマリーは穏やかな笑顔であったと云うラストシーンも、余韻に溢れていて良かったです。
このラストは、例え我が子が悪魔だろうが化け物であろうが母親の我が子に対する愛・母性はあらゆるものを超越すると云う事の隠喩であり、だからこそ我が子が悪魔であったとしてもそれを受け入れて悪魔の軍門に降っても構わないと云う心境にローズマリーが至った事を表しているのかなー…と個人的に思いました。

あの独特なテーマ曲がこれまた頭に残っておりまして、今も頭の中でラララのメロディがリフレインし続けています😅