キャッチ30

ローズマリーの赤ちゃんのキャッチ30のレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
3.8
主人公夫婦の隣人の老夫婦を見た際、デヴィッド・リンチ映画の登場人物かと思った。カラフルな衣装と老婆の髪型。そういえば、リンチの初監督作『イレイザーヘッド』もポランスキーの『反撥』に影響を受けていた。

ローズマリーと売れない役者の夫ガイはニューヨークの古いアパートに越してくる。そこで彼らは隣人のローマンとミニーのカスタベット夫妻と知り合う。お節介なほど世話好きな老夫婦の姿にガイは親密になるが、ローズマリーは不気味さを覚える。

やがて、ローズマリーは妊娠する。カスタベット夫妻は知り合いの産婦人科医を紹介し、ミニーは薬草の入った飲料を処方するが、ローズマリーは情緒不安定に陥っていく。

全てはローズマリーの妄想なのか、それとも悪魔教の儀式が本当に存在するのか、観客は宙吊りになる。ポランスキーは劇的な展開に傾斜せず、淡々と悪夢を忍ばせる。ポランスキーの最愛の妻シャロン・テートが悲劇に見舞われるのは、全米公開から1年後のことである。