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NAGISA なぎさのodyssのレビュー・感想・評価

NAGISA なぎさ(2000年製作の映画)
3.0
【2000年から1960年代を見たら】

舞台は江ノ島付近。時代設定は1960年代。
母と二人で暮らす小学校6年生の少女(松田まどか)をヒロインに、彼女の一夏の体験を映像化したもの。

一夏の体験と言っても、異性とのそれではなく、お金欲しさに海の家でアルバイトをするとか、同じ年齢のお金持ちのお嬢様との付き合いだとか、都会からやってきた男の子との交流だとかである。

ちなみに1960年代は小学生のアルバイトは合法だった。家が貧しくて新聞配達などのアルバイトをする小学生は一定数いた。山田太郎の「新聞少年」なんて歌が流行ったのは1965年である。

60年代にヒットした「恋のバカンス」をヒロインが同級の女の子と一緒に浜辺で歌うシーンなど、当時の流行歌が使われていて60年代の雰囲気を出そうとしているけれど、60年代のどこか垢抜けなかった、しかしヴァイタリティにあふれていた日本の再現というよりは、やはり作られた2000年の醒めた認識が感じられる映画になっているような。

主役の松田まどかが、女になる前の12歳の少女を見事に演じている。
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