あつぼう

デイジーのあつぼうのレビュー・感想・評価

デイジー(2006年製作の映画)
3.7
オランダで撮影された韓国映画って事やけど、全然違和感がないんですよね。逆にオランダで撮影された事でチョン・ジヒョンの美しさが引き立ったような気がしました。アンドリュー・ラウって空をよく撮る監督なんですが、この映画でもオランダの空を撮ってました。凄く透き通るような空でこの映画にはピッタリでしたよ。

この映画のように悲恋を描かせたら韓国映画は本当に巧いですよね。まず設定からして悲しい結末を予期させます。画家に恋する刑事と殺し屋って凄い三角関係でしょう。こんな三角関係が丸く収まる訳ないですからね。
この映画は画家、刑事、殺し屋と3つの視点で物語が進行していきます。
そしてこの3つの物語が交差した時に・・・・。
監督がアンドリュー・ラウって事もあって所々に香港映画の匂いが漂ってきます。銃撃戦などは【インファナル・アフェア】の雰囲気が出てましたよ。それがまた良い味出してたんですけどね。韓国映画の良いところと香港映画の良いところがミックスされた映画でした。

刑事も殺し屋も彼女の事が好きなために嘘をついてしまいます。その嘘を告白したくても告白出来ないもどかしさが伝わってきました。まぁ~「本当は殺し屋です」って告白は出来ないですよね(笑)。
ある事件が起きてから後半は凄く静寂に包まれるような展開になります。
台詞が少なくなった中でも表情から何を訴えたいのか表現出来るチョン・ジヒョンの演技力は素晴らしいです。個人的には明るい映画に出てる彼女もいいけど、こういう悲恋を描いた映画に出てる彼女が好きです。

個人的にこの映画で好きなシーンがあるんです。パクウィがヘヨンの玄関先に「フラワー」と言ってデイジーを置いていくのですが、ヘヨンが扉を開けるとパクウィの姿はなくデイジーだけが置いてあるんです。
なんか妙に温かさを感じるシーンでした。
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