常盤しのぶ

ジュラシック・パークの常盤しのぶのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.0
シリーズ最終作公開に合わせて視聴。だいぶ昔に観たきりだったので割と新鮮な気持ちで観ることができた。が、デブが死ぬシーンはしっかり覚えていた。

以前観た時は気付かなかったが、パークの館長が思っていたより倫理観がない。遺伝子操作で恐竜を復活させるのはもちろん、広大なパーク内の設備を数人で回していたり、事故が発生した際も他の博士たちは一切気にせず『孫たちだけはなんとしてでも助けるんだ』と指示したり……とにかく自分のことしか考えられないマッドサイエンティストである。というより、ただの人間性が崩壊しているダメな大人なのでは? 時間が経つと、こういうことに気付けるようになる。

マルコム博士は最初こそ嫌な奴として登場するが、カオス理論を筆頭とした数学分野での豊富な知識はさすが数学博士といったところである。数学以外でも前述した遺伝子操作に対する倫理性を説くなど常識的な一面も見せてくれた。あの登場人物の中で一番常識があるのは彼ではなかろうか……。

ダメな大人が大勢出てくる本作でも教わる部分はある。子供嫌いのグラント博士が子供たちに『理由もわからずに嫌ってはいけないよ』と諭すシーンがある。あの後からグラント博士は子供たちに対して少しずつ心を許すようになった。

ありきたりではあるが、先入観や食わず嫌いで物事を判断するのは良くない。その対象を深く知って、初めて価値判断ができるようになるのだ。私も苦手なホラー映画に対して心を開くべきか? ……いやでも怖いからなぁ……。