はちみつレモン

ジュラシック・パークのはちみつレモンのレビュー・感想・評価

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.1
「すばらしい週末旅行だ」

人間×恐竜。
共存できない生命同士。
冒険できるのは怖いもの知らずだけ。

スピルバーグ監督作品。
うわぁ、さすが音から違う。寝室で一人真っ暗にして観てるとこええ…もはやホラーの域。
自然の恐ろしさを臨場感たっぷりぶつけてくる。ジョーズから約20年後、スピルバーグだからこそ作れる怪物映画。

怪獣を前にしちゃあ銃を持った兵士の力は無に等しい。
現実であり得ないこそのロマンだなあ

やはり古い映画は演出も脚本も、カット割から台詞まで無駄がなく洗練されているから最高。光の陰影とカメラとの距離感が絶妙でフィルムの色味すら効果的である。
昔の映画を観ているだけで十分なので(現代映画でそれらを超えることはできないので)自分で作るのは今後もうやめたい…とすら思わされる。

「生命を抑えつけることはできない」
人類史の未知の領域への冒険。

「コンピューターは嫌いだ」
その一言でさえ、近未来より古代を志向する"博士"の価値観が表れているかのようだ。

「自然の力を甘く見て思い上がるとこわいぞ」
こういう法則、原理にちなんだ台詞を挟んでくるの大好き。人生教訓にもなるスピルバーグ。

後作(2015年)の巨大パノラマの迫力はすごいが、スピルバーグの作品は、ヒューマンスケールでありえない天変地異をあくまで身近に描く天才だと思う。

「ディズニーランドも故障続きだった」
「カリブの海賊は客を食わないよ」

危機を描きつつ、人と恐竜が寄り添い合うユートピア的平穏なシーンもしっかり含まれている。
怪物の巣窟で知恵と団結で窮地を乗り越える人間のドラマと成長譚をぜひ観られよう!