スローターハウス154

ジョゼと虎と魚たちのスローターハウス154のネタバレレビュー・内容・結末

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2021/1/22

シビア~。
ジョゼが車椅子を買わなかった理由。誰かに背負ってもらえる時間は限られているということを、ジョゼは解っていたんだろう。
恒夫が逃げたのではなく、ジョゼが恒夫を逃がしたのでは。
そんなジョゼの達観に甘えた恒夫をそれほど最低だとは思わない。俺が逃げたからだ、って認めてるし。たぶん本当に最低な奴は、“障がい者”と付き合った時期のことを美談にするんじゃないかね。「結局、色々あって別れたんだけどね..」って。

海底生まれのジョゼと陸上生まれの恒夫。お互い生き続けるには、結局元の古巣が1番心地よい。

周囲からの、“障がい者を助ける”っていう認識がなんともエグい。ナチュラルに見下している感覚とかリアルだなと。
恒夫はそういうある種の遠慮を持たない、人の間に垣根を作らない素直な青年だったから、ジョゼは惹かれたのかもしれない。