ふぇすて

酔いどれ詩人になるまえにのふぇすてのレビュー・感想・評価

酔いどれ詩人になるまえに(2005年製作の映画)
4.8
社会不適合者だらけのドラマ。

もうなんだか胸がいっぱい。初めは台詞多くて自分が思うベントハーメル作品のイメージとちがうなと思ったけど、やられた。

仕事が続かない呑んだくれギャンブルヘンリー。美化されていない。「クズだけど天才です!」とか「まともじゃないからこそのかっこよさ!」という自己陶酔的な大した痛みもない小綺麗な話とは一線を画してる。

いつもやる気なさそうに見えるけど本気になれることは決まってる。暴力ですらやたらめったじゃない。理由はひとつ。強固な一貫性、熱意、野心、愛を秘めてる。

そして見逃せないのが女たち!美人で魅力的だけど根が安売りで、だめ男にひかれ、貞操観念は崩壊気味、くっだらない駆け引きしてみたり。もちろんまともになれそうにはない。でもなんか愛おしい。こういう人いるよね?

何やってるんだろとみじめになって気がついたらあほやっててぜんぶ終わってる、急に消えて急にふっと戻ってくる…ヘンリーに共感できることたくさんあった。でもそれだけじゃだめだから、私も大事なことは貫こう。

孤独の尊さとは何か、咀嚼できた気がする。
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