BK477

エイリアン2のBK477のレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
4.5
" 今度は戦争だ! "

映画史において重要な位置づけとなった1作目から方向性を大きく変えた作品。
監督が変わって映画の方向性やテーマ性も変わった。
キャメロンの作家性、もとい趣味と言うべきか”癖”が全開な作品。

ジェームズ・キャメロンと言えば、知る人ぞ知るヘンタイ(いい意味で)
ターミネーター、エイリアン2,トゥルーライズ、アバターと人生を賭けて「強い女性像」を描くことに執心している
変な監督。「ターミネーター」から全くブレない女性像には関心する。

名前も判らない脇役のパイロット、バスケス、リプリー、女児のニュートですら強い。
実生活の元妻キャスリン・ビグローも、おもっきしこの女性像と被るのは笑ってしまう。
この感じは、フランスの変態ことリュックベッソンの作家性にも通じる。
(やっぱりクリエイターというのは、これぐらい異常でないと突出したものは作れないのかなw)

この作品は、ホラー映画の続編のありかたを定めてしまったような、功罪もあると思う。
たしかにモンスター・パニックやホラーというのは”それ”がわからない事が一番の恐怖であり、
人間は「わかる」と恐怖を感じなくなる生き物。
だから”それ”が何者か、なぜ襲ってくるのか、どうやって襲ってくるのか、5W1Hが判ってしまうとそのネタはもうホラーとしては成立しないのである。

これをうまく使ったのが本作。前作はマニアックともとれるサイエンスフィション・ホラーだったのが
本作はもはや戦争映画の様相。

どこでも明言はされていないけれど、私はやっぱりベトナム戦争の隠喩という側面もあると思う。
イケイケで植民地に突撃する米軍、でもゲリラに返り討ちにされて撤退。どうにか人質だけ救出して逃げ帰る様は、まさに米軍そのものではないか。

とはいえ
前作で我々視聴者とリプリーを散々ビビらせてくれた奴らにありったけの銃弾でお礼参りしてやる画面は痛快極まる。
まあ、あまり深いことは考えず…奴らをぶっ殺してやろうぜ!!!
準備は良いかsoldier! f◯cking WAR ! BABY!!
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