ジャイロ

ラヴ・パレイドのジャイロのレビュー・感想・評価

ラヴ・パレイド(1929年製作の映画)
3.8
「もっとも重要な出来事はドアの向こう側で起こる」
byエルンスト・ルビッチ

「映画は観客の想像力に身を委ねる時こそ最高に雄弁なもの」
byビリー・ワイルダー

どうやったら観客を楽しませることができるのか、常日頃からそんなことばかり考えているルビッチさんの映画は、だから楽しいのです。



『ラヴ・パレード』



ルビッチさんは、パリと不倫が大好きなんだなって。それが伝わってくるオープニング。そしてミュージカル。

犬まで歌ってる…

( ´゚д゚)

女王陛下の人気が絶大、架空の国シルバニア。寝起きに全力でロマンスを歌うハー・マジェスティの声量がすごい。そして結婚に過敏に反応する。国中の悩みのタネ。敬愛する女王陛下の独身問題。執事やメイドのみならず、衛兵たちや内閣までもが心配する。なんて暇な国だ(笑)

リゼットの瞳

ミニョネットの微笑み

スゼットの優しさ

デルフィンの気品

ジョゼフィーヌの魅力

ポリーヌの可愛らしさ

ルシルの唇

カミユの美しさ


ラヴ・パレードってそういうこと?(笑)


女王とみんなが交互に歌うシーンに思わずニヤけてしまいました。メイドとのダンスシーンがパワフルだし、しつこくて良いですね。
そして犬www

伯爵役のモーリス・シュヴァリエが、私の叔父の若い頃に似てるから個人的に楽しめました。似てるwww

コマンド!!って言われたら、そりゃあ嫌になるよね。リンゴも美味しいよね。わかる。いちいち笑いを仕込んでくるルビッチさんの笑いのセンスは大好きです。

セリフの途中から突然歌い出すスタイルね。1929年、この時代にミュージカルとして完成しているなんて、ルビッチさんはやはり偉大なのです。

この映画は、あり得ないそのストーリーに着目するのではなく、ルビッチさんのクスっと笑えるユーモアを楽しむ、この一事においてとても楽しいコメディでミュージカルでした。