みんと

フレンジーのみんとのネタバレレビュー・内容・結末

フレンジー(1972年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

イギリスに戻ってからの復活作品と言われた本作。
スリラー映画として、「サイコ」や「鳥」に劣らない完成度だったと思う。先日観た「マーニー」よりも全然楽しむことが出来た。

ラスクが女性に「lovely…lovely…」と興奮し殺す瞬間の狂乱さや、トラックで遺体とジャガイモの中から必死でピンを探すシーンでの臨場感が特に素晴らしかった。
そして、バブスがバーから出てラスクの気配に気が付いたシーンで無音の瞬間を作ったり、彼女が彼のアパートに入った時に、部屋の中での犯行の一部始終を映すのではなく、あえて外へとゆっくりカメラを戻す演出が印象的。私たち観客側への恐怖心や死の匂いの与え方が、やはりどの監督よりも凝っていて素晴らしいと感じた。

要素としてはヒッチコック映画ではお決まりのものばかりだが、先述した通りスリラー映画たる演出、ひいてはヒッチコック映画たる演出が多くあり、私はとても満足できた。

ヨーロッパ料理教室に通う刑事の妻が最高に面白い(笑)しかも彼女が直感で誰よりも早く真犯人を当てるというのもヒッチコックらしいシナリオで良い。
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