まっつん

X-MEN:ファースト・ジェネレーションのまっつんのレビュー・感想・評価

4.4
現在劇場で公開されている映画の中でも突出した傑作、デットプール。それに関連しまして、X-MENシリーズの中でも個人的に一番好きな本作をフィルマーキング。

マグニートーとプロフェッサーXの出会いから、初代X-MEN結成、そして2人の決別までを60年代的なテイストを徹底して描いて見せた傑作ですね。

まず初期のX-MEN三部作ってあんまり好きじゃないんです笑。単純に盛り上がりがあんま無いんですよね。ミュータント差別についてのメッセージ性が前に出過ぎていてアクション的な見せ場が少ないんです。

その点本作はアクションシーンが非常に楽しいです。しかし真の見せ場はそれ以外にあると言っていいです。ズバリそれは前述した「60年代的テイスト」です。美術、ファッション、撮影、編集までが徹底して「ビートルズ登場以前」の60年代を再現しています。具体的にはショーンコネリー版の007的な雰囲気と言えるかも知れません。

また本作は「実際にあった歴史的事実の裏にはヒーローたちの暗躍があった」というウォッチメン的なテーマがあります。言わずもがなラストはキューバ危機ですが、それ以外にもマグニートーはマルコムX的であり、プロフェッサーXはキング牧師的な立場を取っています。リンカーン広場のシーンがあったりもして公民権運動の盛り上がりなんかも重ね合わされているんですね。

キャスティングもバチッとハマっていると思います。特にマグニートーがあまりにも魅力的すぎます。ラストで「彼らは命令に従っただけだ」と言うプロフェッサーXに対して、「そいつらが俺に何をした?絶対許せない」と返すシーンはシビれつつも涙しました。ただファスベンダー版のマグニートーとマッケラン版のマグニートーどう考えても同一人物には見えないよね笑。

という訳でシリーズの中でも「映画として」ズバ抜けて面白い映画だと思いますね。