Nacht

ソナチネのNachtのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1984年製作の映画)
3.7
ソナチネ 映画、で検索すると北野武の映画が出てくるのだけど、ソナチネ 1984、で検索すると出てくるのがこちらの映画。

二人の女の子、シャンタル(ロングヘア)とルイゼット(ベリーショート)が主人公。
とにかく二人ともめちゃくちゃ可愛い。
いつもウォークマンを聞いていて、時代だなーとも思うけど、殻に篭るために外の世界を遮蔽してたのかもしれない。

二人は同じ高校に通っていて、学校以外でもかなり親密に行動を共にする大の仲良しだ。
父ほど年齢のはなれた、角がとれて優しいおじさんに恋をしてしまった共通点もある。

当時高校生の自分は「こんな可愛い子達がなぜ、よりによってこんなどうしようもなさそうなおっさんと!?(←酷い😭)」という感じで観ていたが、「角が取れて優しい」というよりも「警戒しなくて良いほどくたびれたおっさん」には「優しさ」しかウリが残っておらず、優しさしか必要としないこの二人にとっては、分かりやすい存在だったと分かった。
というのも家庭内での不和や父性の欠如も関係しているのでー。

身近な大人の嫌なところを見ているせいか、大人嫌いになりつつあるが、一方で大人に目をかけてもらいたい気持ちもめっぽう高まる。海外の高校生にしては、少々子供っぽく感じられるが純粋さも高い。

周囲の大人達を試すゲームをしかけても続々失敗に終わり、最終的に狂言自殺を思いつく…「カナダ第二の都市」「北米のパリ」といわれるモントリオールの美しい町並みは一切出てこず、郊外のさみしい夜景や、地下鉄構内が主な舞台。
主人公二人の心象風景に近いのかもしれない。

十代のやり場のない気持ちが、当時の自分にはシンクロして思い出深い映画となった。
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