な、なんだこの胸がキュッとなる愛しさ満点の映画は……
イラン映画の片鱗を味わってしまったのでついにキアロスタミ監督作品に手を出す。まずはこの作品から、と１時間半の気楽さに甘えて観始めたら、ほっこりしつつも複雑な不思議な気持ちになった。
はじめてのお使いを見ている感覚がいちばん近いのだが、映画すべてが8歳の坊や目線なのがすごい。まだ優先順位つけてマルチタスクできない感じとか、大人が言ってることよくわからなくて善悪の判断しないところとか、子供の時ってこんな感じだったろうなあ。大人って子供の言ってること「どうせ子供だから」って言って聞かないよね。
子供目線に映る世界に、イラン村落の経済状況や人間づきあいのしがらみや様子のおかしいお父さんなど、背景として映り込む要素がいちいち濃くて戸惑うが、あくまで子供からは見えていない。このバランス感覚が絶妙で素晴らしい作品だった。少し大人しいが友達思いで優しい坊やの、言葉ではない表情や目の訴えも秀逸。
最後はホッコリ。
