夜飯

映画ドラえもん のび太の恐竜2006の夜飯のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

公開当時6歳のときの気持ちとどれぐらい変わったかな〜と思って再度鑑賞

子供の頃は鬱陶しい情けないと思ってたけど、のび太の優しさや真っ直ぐさにすごくやられた

ピー助のために真夏の日中がんばってミミズをとってきたのにピー助が全く食べなかった時。のび太が抱いたのが負の感情ではなく、「ピー助がお腹減らしてて可哀想」だったのすごいよ。頑張ったのに…とか言わなかったし、大好物の刺身を笑顔であげるってすごくない?真っ直ぐさが愛おしい。

あと自分が風邪でフラフラなのにピー助を第一に思ってるのがあまりにも…。この頃、口ではまだスネ夫たちに自慢するために大きくする!って言ってたけど、正味親心みたいなのが湧いてたよね…。本人の無意識なところで、どデカいあたたかい感情がある…
マスコミに見つかりそうになったときにピー助を元の時代に帰すことを即決断できたのも惚れた。小4の脳で、自慢&見栄<ピー助ってできるか……??

ピー助を故郷に帰すためののび太の精一杯の拒絶する演技を見守るドラえもんも泣けた。この映画全体で、親が子供を見守る表情みたいなのすごく丁寧に描写してると思うけど、それが本当にこのシーンは良くて…。ドラえもん→のび太、のび太→ピー助 の…。デカい愛だ…。

ジャイアンスネ夫しずかちゃんの3人もとてもよかった。のび太のことを散々嘘つき呼ばわりしてたことをすぐに本人に素直に謝れるところ。そのわだかまりがなくなったあと、変な意地はらずにみんなで楽しく遊べるところにみんなの良さがあるね。

ピー助を渡してタイムマシンで送って貰うか話し合いになったときのスネ夫、個人的に結構苦しかった。1番現実主義で、スネ夫の生き方自体が常に保身に走ってるから、そのスネ夫があの決断するのめちゃくちゃ怖かったよな…って。でもいつだって自分の身の安全を考えてるスネ夫だから、無鉄砲に挑むのではなく騙し討ち作戦をすぐに提案できたんだよね…。のび太しずかちゃんに同意したら自力で歩いて帰ることの無理さを嫌でも突きつけられるから、縋りたかったジャイアンに縋れなかったときのスネ夫、絶望しかなかったろうな。

劇場版ジャイアンがかっこいいのは十八番だけど、それにしても漢気溢れてたね。ジャイアンが決断を下す時にのび太が自分を見捨てなかったからって言ってて、のび太のそういう真っ直ぐで友達思いなところを知ってるから、一緒についてってやるって言ったんだな〜…って。
あの場の全員自力で歩いて帰れるなんて綺麗事なのわかってて、でも自分たちがピー助を守るためにできる決断はそれしかないからそうしたんだよね。普段わりと理性的なしずかちゃんものび太の味方してたし。そこが小4の子供らしさもあるけど。

あとすごくのび太が周りを黙って助けるシーンが多かった気がする。落ちていくジャイアンの手を即取ったのも、脱出のとき挟まったドラえもんをポケットからすぐ出て引き抜いたのも、のび太が葛藤なく周りの手を取れるというシーンが良かった。絆を感じた。細かい演出にもあたたかさがあった。

ラスト、作品によって色々な別れ方(笑顔で見送る、涙を堪えて見送るとか…)があると思うけど、のび太とピー助を見てる仲間たち全員大号泣してるのが「ドラえもん」なんだな〜って思う。のび太とピー助の別れは親子のそれだけど、ドラえもんジャイアンスネ夫しずかちゃんとピー助は友達の別れ。そういう涙に見えた。
のび太は1回目ピー助と別れたときに酷いことをしてしまった自覚があるからこそ、あんなに顔をぐちゃぐちゃにしながらでも笑顔ではっきりと「さようなら」をしたんだと思うと余計に泣ける。あったか…

後はもうピー助がひたすらに愛くるしくてめちゃくちゃ可愛かった。のび太の鼻をピンッてするところすごくない??アニメーションが天才的にかわいい。のび太が丸鼻でよかった。
てか本当にアニメーションが良すぎた。線画があったかい。表情もめちゃくちゃ細かい。アニメーションなのに?アニメーションだからこそ?みたいな表現が面白い。

20近くなってから見るとすんごく心が洗われるので、ぜひ見て欲しい。のび太に惹かれる。あと2006年作品だけど古臭さとかはなかった。
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