このレビューはネタバレを含みます
いま、ギンレイホールでは、「新潮社から生まれた名作映画たち」という名で、さまざまな作品を上映中である。その中の一つを今日は観てきた。
昭和29年に書かれた三島由紀夫の小説の映画化。
美しい伊勢湾と大海原。歌島という小さな島に暮らす人々の暮らし。
美しい自然に恵まれた素晴らしいロケーションで、人々が交わす会話や行動が懐かしかった。
そして、初江役の山口友恵と新治役の三浦友和。
百恵ちゃんは、16歳でとっても可愛らしくて。
三浦友和は、当然男前だけど、あどけなさがとてもかわいい。
お互いが心を交わし、次第に惹かれ合っていく過程が、とてもキュンとなった。
そして、心に残ったセリフが以下の通り。
初江の父照吉が、2人の漁師(新治と安夫)を自分の船に乗せ、どちらが見所ある男かを試し、お眼鏡にかなった方を娘の婿にしようと考えた。
貧乏な新治と、金持ちの安夫。
だけど、
「男は気力や。気力があればええのや。
家柄や財産は二の次や。」
と、照吉は、新治を初江の婿として認めることになる。
気難しい父親でも、気力のある男が認められるんだね。
そして、小説のラスト。
少女の目には誇りが浮かんだ。自分の写真が新治を守ったと考えたのである。しかしその時、若者は眉をそびやかした。彼はあの冒険を切り抜けたのが、自分の力であることを知っていた。
まだまだ男が一番であった時代に書かれた小説なんだなぁと感じる一方で、自分の力に自信を持ち続けることは、男として、人間として、成長した証なんだと思った。
きっとあったはず。。。書棚の奥から出てきた、新潮文庫「潮騒」220円。
字も小さくて、紙も黄ばんでるけれど、ゆっくり読んでみようかな。
ちょうど、息子の中間テストで静かにしておかなきゃならないから、ちょうどいいのかもしれない。