三四郎

浅草の灯の三四郎のレビュー・感想・評価

浅草の灯(1937年製作の映画)
4.3
この映画は、浅草オペラありし頃の粋な古き良き大正時代のノスタルジー漂う傑作なり。今じゃもう忘れられてしまったかもしれぬ、いや、公開当時も既に失われていたかもしれぬ日本男児の粋な仁義ドラマを描いている。
ボカ長云はく「麗子を好いてるのは絵として芸術として」か!芸術家の求める美しさここにあり。

上原謙は、先生(夫)に謝らなければ自らの小指を切り落とすと杉村春子を脅す。彼は、強情を張って引くに引けない杉村春子に対して最期に謝る機会を与えてあげたのだ、言い訳ができるように。そして杉村春子も上原謙のその義理人情がわかっているから謝った。これぞ古き良き日本。

上原謙、いい男だなぁ。昭和を代表する二枚目だ。戦後、GHQが「暴力シーンはいけない」と検閲でカットしなければ、名場面と謳われた上原の格闘シーンが今でも見られただろうに…。
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