穂苅太郎

竜馬暗殺の穂苅太郎のレビュー・感想・評価

竜馬暗殺(1974年製作の映画)
3.5
当時のローファイだったんだろうなあ。
それこそ20代にレンタルで、VHSで修行のように観たATG。懐かしい。当時はエキセントリックな表現に感化されたものだが、今見返すと色々時代ゆえの悲しさも読み取ってしまう。
色味がハイコンになって、つまり戦前のモノクロ風味。頑張って再現したのだと察する。
でもすでに45年前の作品。その“ローファイ”は残念ながらすべて古いものとして消化されてしまう。
学生運動を反映したかったろう趣旨も現在では今一つ響かない。
時代性をまとわせると、その作品自体が過去に置き去りにされてしまう。映画はもちろん世につれて当然いいのだが、後世の視聴者を想定できるかどうかも必要だな。作品がかわいそう。
とはいえ原田芳雄、石橋蓮司、松田優作の三人が同じスクリーンに“ええじゃないか”コスプレで並んでいる絵はやはり時代を超えて素晴らしい。今やこのシーンを味わう映画として価値があるんだ。
穂苅太郎

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