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続・忍びの者のmitakosamaのレビュー・感想・評価

続・忍びの者(1963年製作の映画)
3.6
スカパーにて。雷蔵“忍びの者”シリーズの2作目。
昨日レビューした篠田版“梟の城”に比べ、同じ世界観の映画化なのに何とも面白い事か!

前作で信長に伊賀の里を滅ぼされた所からの続き。
忍者を捨てた石川五右衛門(雷蔵)だが、信長の追っ手に赤ん坊を殺されてしまう。奥さん(藤村志保)の故郷に行き一向一揆の雑賀衆に混じる。

このサイカシュウってのがあまり詳しくないのだが、どうも和歌山の地侍の傭兵集団だったらしい。頭領が鈴木孫一。海洋貿易で種子島から鉄砲を入手してたらしく、今作でもそういう描写がある。へ〜〜〜〜。時代考証がめっちゃシッカリしてて勉強になるぅ。

同じ伊賀出身で家康に就いた服部半蔵の申し出もあり、信長攻略の為に明智光秀をけしかける作戦に出る。
前作で百地三太夫が行った、自分の手を汚さず内紛を起こさせ手柄を取る手段を今度は五右衛門が決行するという展開。前作の前フリを巧く継いでいる心憎い脚本!
忠義を尽くしてる信長が秀吉を重宝するストレスで焚き付ける作戦。
因に秀吉を演じるのが東野英治郎。似合ってるけどちょっと歳をとり過ぎ?
また、織田側に間者に入ったくの一に坪内ミキ子。若い!超カワイイ!いじわるばあさんのお母さん役と全然違う!カワイイので、森蘭丸と良い仲になる。

本能寺の変に乗じて信長を討つ五右衛門。この合戦シーンのセットも込みで大迫力。矢とか本当に射ってるのか?キケンじゃないのか???
しかも信長の手足を斬り落とす五右衛門の残虐的なシーンよ。斬って血が出ない様式美な時代劇じゃない。もう血まみれのリアリズム。

ココまでで中盤だよ。濃いなぁ〜
ただここから若干中だるみしちゃうのは勿体ないかな。中盤のクライマックスが派手過ぎた。

秀吉と明智の天下取りと、虎視眈々と狙う家康。
雑賀の集落を秀吉に攻め滅ぼされ、半蔵のバックアップもあり秀吉を狙う五右衛門。失敗に終わり釜湯の刑に。

史実を巧く織り込んだフィクションとして、将軍家の政治ドラマと忍者の駆け引きと翻弄をドラマチックに描いた。前作以上の傑作!
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