「キスも知らない17歳が銃の撃ち方は知っている」
イジメを受けていた2人の生徒が結託し、生徒・教師を虐殺したコロンバイン高校銃乱射事件を題材とした作品。
なお被害者の多くはイジメに関与しておらず、無差別的犯行である。
犯人が受けていたイジメを詳らかに描いて同情を煽り、犯行を正当化するような作風にも出来ただろうに、安易に美化しない点に好感が持てた。
前触れも予兆もなく、突然始まった銃撃により一瞬にして生徒たちの日常が終わる。
クライム映画でありながら、犯行が起きる前の日常パートをメインに映していたのが新鮮だった。
本作にはプロの俳優は3名しか出演しておらず、生徒はすべて実際の高校生からオーディションで選ばれた。会話もほとんど即興で、高校生の日常をリアルに描くことに徹している。
だからこそ犯行の理不尽さが余計に際立つ。
本件が起きたあとも遅々として進まない銃規制。
せめてこの事件がイジメの抑止力となればと願う。