垂直落下式サミング

ビー・バップ・ハイスクールの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

4.0
ヒロシとトオルの喧嘩と恋とツッパリの日々。きうちかずひろ原作の人気コミック『ビー・バップ・ハイスクール』のツッパリコンビの日常を描く。漫画実写化のひとつの成功例。
いちばん面白かったのは、子分たちを育成するシーン。不良になりてえなら、まずはカタチから作ってくぞ!長ランにボンタンと剃りこみリーゼントは定番として、ガン飛ばし、ポケ手、猫背、ダルそうな歩き方などをホンモノのダブりビーバップから直々にレクチャー!いにしえの不良文化体験コース!これでシャバいお前らもイッチョマエ!おらおら!
アメトークで紹介されたとき誰かが言ってたけど、戸塚高校の治安の悪さの表現がヤバい!取り敢えず学舎として機能しているとは思えない廃墟っぷりで、あるものを校舎の屋上から落とす奴がいる。不良ってよりはサイコ的なヤバさで、薄暗い教室に群れをなしたむろする不良たちのアウトローっぷりが霞む。
愛徳と戸塚の抗争となり、喫茶店で襲撃を受け追いかけっこになるところや、電車乱闘の伝説的スタントなど、すごいアクションてんこもり。特に、電車の窓から川に飛び降りるのなんてイッパツ撮りだろうし、一歩間違えば大惨事。命が軽い。飛び降りたり転げ回ったり、キャストたちの身体能力弾けていらっしゃる。
不良なのに、いただきますってちゃんと言うのかわいいなぁって思ったら、怖い先輩がやってるタコ焼き屋さんだったのか。仕込みの手伝いに行くのは汚いアパート。不良の世界じゃあ負け知らずの暴れん坊だった人が、その後の人生にしっかりと敗北しちゃってるのを暗に示すのが、切ねえよなぁ。
トオルとヒロシが、中山美穂のお誕生会にお呼ばれしたことをキッカケに関係が崩れてしまうところは、ほろ苦い悲しさがある。糞だめの匂いが染みついたら、健常の世界とは関われない。町の粗大ゴミは、酒造の優等生お嬢さんのお友達になんて…、とてもとても…。恋に怒りに焦燥に、いろんな思いが交錯しながら、ヤンキーたちの青春は最終決戦へともつれ込んでいく。
てか、中山美穂さんってこんなに美少女だったの?!小麦色に焼けた顔でにこにこ笑って愛嬌を振り撒く。セーラ服から腹チラするのは反則。アイドルですね。脅されながら髪切られるところは、痛ましくてみてらんない。