モ・クシュラ
ボクシングに希望を見い出そうとする女性とそのトレーナーである男の心の葛藤と絆を丹念に描いたヒューマンドラマ、、、
死んだように長く生きるか。
短い間にやりきって死ぬか。
スポ根サクセスムービーかと思ってたら、人生観や死生観を問うような重たくて悲しい作品だった。
これをバッドエンドと捉えるのか、人生の最後に夢を追いかけて悔いなく終える事ができたと捉えるのかは人それぞれなのでしょう。どちらが正しいというわけではなく、どちらも決して間違いではないし尊厳死については色々な考え方があって良いはず。
二人に共通する孤独感がボクシングを介して次第に和らいでいく姿や父娘のような関係になっていくのが感動的で、まさに"血の濃さよりも過ごした時間の濃さ"という感じがして凄く良かった。
個人的にはモノローグで進行する映画があまり好みではないのでそれほど高得点ではないけれど、いずれにしても観ておいて損はない作品だった。
"愛する人よ、お前は私の血だ"