nana

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-のnanaのレビュー・感想・評価

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ブレッソンならではの最小限に抑えた演出、響く生活音が今作も印象的。
主人公や登場人物たちは多くを語りません。
声を張り上げて怒るシーンもなければ、ほとんど暴力的なシーンもありません。
だからこそ、こちらに訴えかけてくる怒りや意志があります。

他のあらゆる脱獄ものとは異なり、ドラマチックに盛り上げることなく淡々と物語は進みます。
繰り返される作業と会話、刑務所での日常風景。
ブレッソンは俳優でなく演技経験のない者を起用することが多いため、観ているとドキュメンタリーのように錯覚することもあります。
この上なくシンプルながら、惹きつけられました。
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