Kz氏

ジャッキー・ブラウンのKz氏のレビュー・感想・評価

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)
3.8
「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」にインスパイアされて、タランティーノ作品を見返す。

パム・グリアをリスペクトした、ブラックスプロイテーションのリブート、と評されている。ブラックスプロイテーションという言葉をこの作品で初めて知った。

70年代、アメリカンニューシネマで白人が内向するのに対して、「ブラック・ムービー」は、黒人のプッシャーやポン引きやヒットマンを大暴れさせていた、と聞く。しかし、私が映画館に通い始めた頃だけど、「スーパーフライ」「黒いジャガー」くらいしか覚えていない。麻薬密売人がヒーローの映画などは公開がためらわれていたのかもしれない。

だから、ハヤカワポケミスを愛読していた「墓掘りジョーンズと棺桶エド」のイメージの方が強いのかもしれないが、ブラック・ムービーは、本作よりももっと泥臭いイメージがある。Fワードと「nigga」を連発するサミュエル・L・ジャクソンと貧相な白人ロバート・デ・ニーロの密売屋コンビさえ、どことなくガイ・リッチーを思わせて、スタイリッシュだ。
原作者で製作総指揮のエルモア・レナードの影響なのかもしれない。B級ジャンル映画オタクのタランティーノは、本作は、レナードタッチと闘いだったのかも、などと夢想する。
Kz氏

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