Kz氏

ジャンゴ 繋がれざる者のKz氏のレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
3.8
「クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男」にインスパイアされて、タランティーノ作品を見返す。

「キル・ビルVOL.1、VOL.2 」の過剰なファンサービスを経て、グラインドハウス映画「デス・プルーフ」、マカロニコンバット「イングロリアス・バスターズ」の次が、マカロニウェスタンの本作。
反叙情の劇画チックな復讐劇、セルジオ・コルブッチ「続荒野の用心棒」(Django)にオマージュを捧げ、フランコ・ネロがカメオ出演している。

黒人ガンマンが白人領主一家を皆殺しにする残酷映画で、スパイク・リーが不快を示し、ネーション・オブ・イスラムが人種戦争を喚起させられたとwikiにあるが、どちらも的外れだと思う。「イングロリアス・バスターズ」のドイツ軍兵士から頭皮を剥ぐユダヤ人部隊と同じく、復讐劇の構図として面白いから賞金稼ぎを黒人にしたので、歴史背景や民族感情などは考えていない。次回作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」では、その軽薄さがもっと明確。
タランティーノは、あくまでもコラージュ作家で、B級ジャンル映画リブートの名手だ。
Kz氏

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