夫が亡くなって落ち込んでいるときに甘い言葉に騙されて陸軍に入ってしまった女性が教練所や配置先で引き起こす騒動をコミカルに描いた、ハワード・ジーフ監督の代表作となるコメディ映画。
先月、何気なく CNN を見ていたらトーク番組に年老いたゴールディ・ホーンが出演していて、カート・ラッセルとの初デートのエピソードなどを楽しそうに話していた。そんなことを突然思い出したら彼女の若い頃の映画を見たくなったので、以前から気になっていたこともあって選んだのが本作。
軍隊ネタはそれほど馴染みがあるわけではないので、映画そのものにはそれほど期待をしていなかったが、内容そのものよりもゴールディ・ホーンのコメディエンヌぶりが素晴らしかった。彼女のそれまでのキャリアから考えると当然なのであるが、ラブコメな彼女しか見たことがなかったので、表情から仕草や動きまですべての面においてまさにコメディエンヌな彼女に新鮮な驚きを感じた。
さらに、ゴールディ・ホーンと同等以上の見どころは、彼女が演じているジュディ・ベンジャミンたちの上官であるルイス大尉を演じたアイリーン・ブレナン。漫画に出てきそうな意地悪でイジメ好きだが、どこか抜けているキャラの演技が秀逸である。ベンジャミンの教練所での同期で、最初は仲の悪かった女性兵を演じたトニ・カレムがなかなか美形なのもグッド。一方で、映画の後半がラブコメに収束していったのは、ベンジャミンの相手役を演じたアーマンド・アサンテのどこか胡散くささが漂うイケメン姿とともに、ちょっと残念ポイントだった。
それでも本作はアメリカで高い評価を受けていて、テレビドラマ化もされている。TVドラマではゴールディ・ホーンは出演していないが、やはり好評だったのかアイリーン・ブレナンは引き続きルイス大尉を演じていて、その役でゴールデングローブ賞やエミー賞を受賞した。
