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フェリックスとローラのakrutmのレビュー・感想・評価

フェリックスとローラ(2000年製作の映画)
3.4
移動遊園地のオーナーであるフェリックスと、その遊園地でバンパーカーに乗っている寂しげな女性ローラの、どこか幻想的な恋愛模様を描いた、パトリス・ルコント監督の恋愛映画。

移動遊園地って、日本ではほとんど馴染みがないけど、フランスではかなり一般的。当然、最新鋭ではない昔ながらの「ザ・遊園地」的なアトラクションが多いのでノスタルジックな気分に浸れるとともに、(多くは夏の)期間限定であることが高揚感や寂寥感も感じさせてくれる。

移動遊園地が喚起するそのような情緒・感覚がフェリックスとローラの関係にも投影されるという相乗効果がとても印象的な作品になっている。見方によっては、ここで描かれている全てが虚構という解釈も可能だろう。なので、ストーリーにあまりこだわらずに映像やその雰囲気を楽しむ、そして黒を強調したアイメイクのシャルロット・ゲンズブールのミステリアスな魅力を楽しむのが、正しい鑑賞の仕方だろう。
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