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お嬢さん乾杯!のvincentのネタバレレビュー・内容・結末

お嬢さん乾杯!(1949年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

半世紀以上時間が経過すると言語はかなり変化する。
佐野周二も原節子も佐田啓二も、台詞回しを聞いているだけで脳のお笑いスイッチが入ってしまう。
焼け跡と思しき背景をさり気なく押し隠し、進駐軍御用達の自動車工場が舞台となる。
主人公のアパートは現代でもレトロ趣味の観点から見ればかなりお洒落な内装だったりする。
ベッドで生活し土足で室内に入る。
日本人の憧憬が奈辺にあったか。
痛々しい位に突き刺さる。
米兵も闇市も出てこない。
バラックも英文の看板もない。
だが見事なくらいに西欧の文化が取り込まれている。
まるで伝言ゲームの果てみたいなトンチンカンな様で。
敗戦を抱きしめた日本の切なさに胸が痛くなった。
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