椎蕈

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの椎蕈のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ショーンが愛した妻とスカイラーを重ねて最後に「彼女に会いに行く」ことに繋げたところや、チャッキーの「何の挨拶もなくお前は消えてる」のセリフをラストで回収して、寂しいけど嬉しそうな表情を浮かべてるところはめちゃくちゃ良かった。
ショーンとランボーが最後に飲みに行くのも好き。

ストーリー構成は綺麗なんだけど、ウィルに感情移入ができなかったからイマイチ感動しなかった。
虐待や愛してくれる家族のいない孤独で育ったトラウマで防衛本能が働くからあの言動を取っていると後に明かされてはいたけど、変な嘘をついたり適当に誤魔化したり、他人を責めて自分を正当化するような発言が多くて正直見ていて不快だった。

スカイラーがウィルに寄り添った時に突き放したのはかなりモヤモヤしたしイライラもした。
謝罪もなくよりを戻そうとする所も引っかかった。
せめて別れ際の電話の時に謝罪の一言でもあればまだ良かったんだけど、それすら無かったし。
「君は悪くない」ってショーンから言われてはいたけど、実際に同じような環境で、なんならもっと酷い環境で育ったのに聖人だった元アメフト選手のマイケル・オアーが実際にいるし、本人の問題も多少はあるんじゃね?って思ってしまった。

周りはウィルを支えてくれる良い人たちばかりだったから余計にウィルの言動が際立って見えた。
非行青年を導く物語だと分かっていても不快になる場面がいくつかあったから、それがもう少し控え目だったらもっと好きな作品になってたと思う。
椎蕈

椎蕈