記録
前作『子供たちの王様』が素晴らしかっただけにやや拍子抜け。リアリズム信奉者として、本作を良しとするか否かは悩ましい。しかし、一蹴することのできないだけの不思議な魅力が詰まった作品であることは確か。
寓話性を持たせることについては大いに賛成(そうする必要があっただろうし)だが、そこで説話的な必然性を損ねてしまうのは残念。そのふたつは共存するはずである。
アート系に傾倒しすぎな感じがあって、確かに風景はよく撮れてるがショットが撮れているかといえばやや微妙なところがある。ロングショットの強度が『子供たちの王様』には遠く及ばず、比べるとどうしても物足りない。
それとショットの尻を切るのが想定以上に早い、ショットは叙情性に溢れているのに編集のリズムと噛み合っていない気がする。
気に入りこそはしなかったが、良い映画ではある。
2024,269本目 10/21 VHS(大学)