アルパカ

シェルブールの雨傘のアルパカのレビュー・感想・評価

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)
2.0
 カトリーヌ・ドヌーブが物凄く綺麗。音楽が素晴らしい。色彩の使い方が素敵。ギイの家はブルー。ジュヌビエーヌの家はピンク。カフェで待つマドレーヌの後ろの壁とドレスはオレンジ。最後再会のガソリンスタンドは白。
 でも肝心のお話は・・・。手紙が届かなくなったといっても戦争中にそんなのん気に手紙など書けるわけないし、戦死通知が来たわけでもないのにさっさとお金持ちと結婚。お腹にギイの子供がいるのに・・・。
 「待たんのかい!!」と突っ込みを入れてしまいました。(笑)
うーん・・・、自分なりに納得しようといろいろ振り返ってみましたが、そういえば恋愛中も何回かギイのことを「油臭い、ガソリン臭い」と言っていたし、(ギイの職業に内心は不満が?)現代と違い、女性が働くのは大変だったということもあるだろうけれど、妊娠中という肉体的に不安定な時期に精神的にも不安定になり安楽なほうへ逃げた、ということか、と。あるいはあのお母さん(とても若くて綺麗)が手紙が来ても隠していたのかな?
 当時二人は20と17と若い。ギイも本当にジュヌビエーブのことを思うなら二年後生死がわからない自分の子供を身ごもったりしたら困るだろう、と欲望を抑えて踏みとどまるべきだった。衝動的に過ぎると思う、これは二人ともだけど。それが恋愛だといえばそうなんですが。つまりどっちもどっちか・・・。
 再会したときものすごくあっさりしていたのがとても印象的だった。余計なことは言わない。二人とも現在の生活があるので最低限の言葉しか交わさない、ジュヌビエーブが「娘に会う?」といっても黙って首を振るギイ。会わないに決まってる、会ってもつらくなるだけだものね。なんて残酷な質問するのか、ジュヌビエーブと思った。(笑)