アルパカ

悪は存在しないのアルパカのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 感想を書くのが難しい。
・巧は娘のはなを迎えに行くのをよく忘れる。
・銃声が時折聞こえる。
・森を延々と歩くシーンが続く。
・はながいつも一人で遊んでいる。
・はなは鳥の羽を集めて区長さんにあげて喜ばれているが区長さんに「あまり一人で遠くへ行っちゃいけないよ」というようなことを言われる。
・二人で家にいる時もはなのことをあまり構わず巧は一人で一生懸命グランピングの話を持ってきた二人の絵を描いていた。
 これらのことは最後のシーンへの伏線かなあと思った。
視点が時々興味深く、森を下から見上げたり、丘ワサビの視点から巧とうどん屋の主人を撮っていたりする。
 映っている自然は美しい。でも自然は人間よりはるかに大きく脅威で時には人間を襲ってくる。人間も自然を壊して生きている。自分たちの経済を優先するために。
 一番盛り上がりを見せるのは芸能事務所がグランピングについて地元の人たちに説明するシーン。地元の人達に一番直結する話なのに行政などですでに先にいろいろ決まっていて事務所は土地を購入済み、地元の人達に話すのは工事着工目前という理不尽さ。
 そういった諸々の現実。でも一人一人それぞれ事情がある。高橋も黛も話すと悪い人ではない。
 鑑賞後色々考えてしまい、非常に疲れた。映画館はほどほど混んでいて反響があるんだなあと思った。
 最後のシーンでは一緒に見た夫と話したが私とまた全然違う考えだった。見方によっていろいろな解釈ができる作品だと思った。