えんてん

ドラッグストア・カウボーイのえんてんのレビュー・感想・評価

3.6
なんとなく読んでいたあらすじとか、冒頭の感じとかからしててっきり最後は破滅する物語だと思っていたら、違った。
この監督の経歴の、かなり初期の仕事だと思うけど、ちょいちょい細かい期待を裏切っていく脚本とか、素朴ながら丁寧に作られているように思った。
麻薬中毒者たちを扱った映画で、悲惨な出来事も起こるんだけど、終始どこかゆるい雰囲気があって、ドラッグの怖さとか悲壮感みたいのはあまり伝わってこない。そんな簡単にドラッグやめれちゃって良いの?とかちょっと不思議に思う。
たぶんここで描きたかったのは、ドラッグの怖さを訴えるというような教育的なものではなくて、またジャンキーたちの見物人である僕ら観客の側の論理でもなく、あくまでジャンキーたち自身の感覚に寄り添った映像を撮るということだったんじゃないかなぁ。
それはドラッグを肯定するということではもちろんなくて、それを使っている若者たちの生を肯定するということです。
まあ正直他愛もない映画ではあるんですが、観てて嫌な感じは無かった。
ウィリアム・バロウズが出てくるという事は知っていたんですが、どうせ一瞬のちょい役だろうと思っていたら、しっかり意味のある役で怪演、というか普通に快演していて驚いた。
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