SPNminaco

おっぱいとお月さまのSPNminacoのレビュー・感想・評価

おっぱいとお月さま(1994年製作の映画)
-
弟が生まれてママのミルクを独り占めしたから、ぼくだけのおっぱいがほしい男の子テテ。そこに現れたのは、理想のおっぱいを持つ踊り子エストレリータ。けど、テテの前には夫のフランス男と、近所の青年ミゲルというライバルが立ち塞がる。
おならショウの名人である夫、切々と歌うミゲル、その親友で筋肉&バイク馬鹿のスタローン、マチズモ全開のパパら男たちはみな無邪気だ。エロティックな直喩やエストレリータのフェティッシュな性癖にも屈託がなく、大人たちのそれなりに濃厚なメロドラマは少年時代の甘美な通過儀礼となる。やはり愛には死が付き物なのがスペイン映画。
といっても、“人間の塔”に怖気付いていたテテ自身が何か成長する訳でない。見事頂点に立ち一人前と認められ、全員が欲しいものを手に入れるのは、おっぱいの奇跡のおかげだった。ミルクは聖水?カタルーニャを舞台に、子供目線とはいえラテン系のマドンナ崇拝が炸裂。美しいマチルダ・メイのおっぱいを崇める男のためのお伽噺。帰る場所はママの胸。
SPNminaco

SPNminaco