Maoryu

真昼の暴動のMaoryuのレビュー・感想・評価

真昼の暴動(1947年製作の映画)
4.0
看守長マンジー(ヒューム・クローニン)によって劣悪な環境下にあった刑務所で、ジョー(バート・ランカスター)は脱獄を決意する。過酷な下水道工事の中で計画を練り、古参のギャラガー(チャールズ・ビックフォード)と協力するが、脱獄当日に裏切り者の存在が明らかになる。

「街の野獣」のジュールズ・ダッシン監督による監獄映画。

白黒で常に閉塞感がある中にも、仲間たちとの緩い時間が描かれ、獄中の雰囲気が素晴らしい。
どちらかというと、身体的虐待というよりは精神的な迫害を受けて、自由を渇望する男たちの物語だ。

ある囚人が即興で歌う歌がなんとも味わい深い!
それに、監房のみんなが敬愛する “ご婦人” の画とか、ディテールがめちゃくちゃ良くできてるのに感心させられる。

活劇としても見ごたえあって、ラスト15分はまさに手に汗握る攻防が繰り広げられ、その分、ラストの虚しさと憤りが強烈だ。

「コクーン」や「ニューヨーク東8番街の奇跡」で温和なイメージのヒューム・クローニンが、徹底的に冷酷な悪役を演じてるんだけど、あれは「シンドラーのリスト」のレイフ・ファインズに重なるものがあった。
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