前半のイチャイチャから、後半のしっとりした展開へシームレスに移り変わっていくのが良かったですね。時間の流れを描くことが主眼で、二人の破局は織り込み済みだったということが分かる。
いくつもの場面で食事のシーンが移りこむが、(おそらく手っ取り早く済ませるために)ラーメンばかり食べる男女と、三世代が食卓を囲む実家での風景が対照的。ラーメンばかり食べる男女のインスタントな関係は、盛り上がるのも早いが、終わるのも早い。他方で老人の余生は短い。春の日が過ぎゆく間に、失われるものがいくつもあった、ということなのだと受け止めた。
だからこそ、「記録すること」を仕事としている主人公のストイックというか、不器用な性格が最後まで映画の雰囲気にマッチしていますね。
http://burningday.livedoor.blog/archives/one-fine-spring-day