たか

闇の列車、光の旅のたかのレビュー・感想・評価

闇の列車、光の旅(2009年製作の映画)
4.0
 移民問題や治安の悪さなど、様々な社会問題がベースにあるストーリーです。どうしようもない情勢ですが、何故か作品は暗くは感じませんでした。
 きっとそれは少女サイラの動じない態度かもしれません。アメリカへ辿りついても幸せになれるとは限らない状況で、彼女は、少年ガスペルに感情移入し彼を助けようとする事で、生きる意味を見出したのだと思います。
 ギャング組織の通過儀礼、文化、ルール、平和な時代ではきっと誠実な人物になるだろう者も、ここでは悪人になってしまってます。やるせませんね。協力し合う移民達の姿が救いです。
 列車は速いし、追手から逃げられるんじゃないか?と言う甘い考えを持っていたのですが...。
 結果的にアメリカへ辿り着いたのは彼女だけですが、何か彼女にこれからの決心のようなものを感じました。それが、所謂アンハッピーエンドじゃない印象を持たせているのかもしれません。
 とても考えさせられる作品でした。
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