KEiGO

サスペリアのKEiGOのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
3.5
#奇妙なホラー映画論 マラソン!
「決してひとりでは見ないでください」
秀逸なキャッチコピーで日本でもヒットした古典ホラーの名作[1]。

クライマックスに至るまで、観る側も主人公と同じ立場で現象と向き合うことになるのが面白い。「なにかよくないことが起きている。でも何が起きてるかは分からない。」不安を最大に掻き立てていく展開と演出にハラハラさせられます。

memento-mori.
死を想うことで、かえって生を感じる。イタリアには根底にそういった文化がある、と荒木先生は仰っています[2]。二千年来のローマの街道の道沿いにはカタコンベと呼ばれる地下墓地が隣接しています。人々が往来する賑やかな街道と歴史を積み重ねてきた故人の距離感、死と生が地続きな土壌こそイタリアの魅力。とはいえ少し前の日本も本当はそうだったはずなのですが…。今となっては死は忌み嫌われるものとして生活から排除されてますね。ま、それは別のお話なのでここまでにしておきましょう。

個人的に主人公スージー役のジェシカ・ハーパーがTHE ホラーヒロイン顔だっただけに、もっと酷い目に遭って欲しかったですねっ!(今、好感度が下がる音が聞こえてます)


参照
[1] 映画の空, “古典的な傑作『サスペリア』新たな世代のファンを獲得し続けているその理由” , 2021,5月24日, https://www.skyperfectv.co.jp/special/eiganosora/article/detail.php?k=suspiria
[2] 荒木飛呂彦, “荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論“, pp36-39, 集英社
KEiGO

KEiGO