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くまのプーさんの都部のレビュー・感想・評価

くまのプーさん(2011年製作の映画)
3.5
子供の頃。あれは12歳ですかね、通っていたスイミングスクールのイベントでディズニーランドに行ったんですが、当時の私は怖がりで泣き虫だったのでプーさんのハニーハントでガチ泣きして帰宅を強請ったという逸話があるのですが、その時に感じた恐怖を想起するような映画でした。

ボケにボケ倒す一時間弱のアニメーション映画として作品個性が色濃すぎる点に否定の余地がない内容で、多かれ少なかれ底抜けの阿呆である100エーカーの動物達にそのツッコミ役が務まるはずもなく、とにかくイカれたシークエンスが連続して飛び込んでくる味わいはある種の映像ドラッグ的とも言えます。子供向けの作品であることは当然として、改めてその世界を大人の目から見た時に生じる『やってることヤバすぎだろ』という視点が生まれる作りなのは非常に愉快だと思います。

またそんなハチミツをキメた内容に対して高水準の品質を全編に渡り保った水彩画調の世界背景や『くまのプーさんはクリストファー・ロビンの作中作である』という原作設定を前提としたメタ構成による作品展開が、それらの構成要素を映画として一本化しているのは見事である。あまりにも作品としての癖が強いので尺はこのくらいが適切です。
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