Eirain

DAGONのEirainのレビュー・感想・評価

DAGON(2001年製作の映画)
3.6
コズミック・ホラーの祖:H・P・ラヴクラフトの代表作『インスマウスの影』の映画化作品。監督は、(この映画を手に取った人にとっては恐らく)お馴染みのスチュアート・ゴードン監督。(極一部の人にとって)待望のBlu-ray版が発売されたので、早速購入して観てみた。

恋人と友人夫妻と共に、ボートでバカンスに出ていた主人公のポール。しかし、突然の嵐に巻き込まれてボートが座礁してしまう。恋人と共に沿岸の村に助けを求めに行くが、その村は"名状しがたい"異様な雰囲気に包まれていた――――。

とりあえず、「開始~村に助けを求めに行く」シーンだけで「ダゴン様。ポールとバーバラ(主人公の恋人)はどうぞ生贄にしてもらって結構です。」となった。こういう誠意のない馬鹿な言動する人って嫌だねぇ。それはまぁ置いておいて・・・。

原作の設定をベースにした映像化となっており、ストーリーは原作とは別物だが、原作を読んでいた時に想像していた情景と一致したので、個人的には原作の雰囲気を十分に再現している作品と感じた。・・・まぁ原作読みながら思ったことと言えば「映像化したら酷い絵面(画面)になるだろうなぁ」なのだが(お察し。

原作では"魚面"で印象的な村人だが、本作ではあまり踏襲されていない。どちらかといえばイカ(タコ?)成分の方が強い。村長の姿がクトゥルフのそれになっていたので、本作はクトゥルフの容姿に合わせてダゴンと村人を描いたように思われる。"魚面"の村人を楽しみにしていたので少し残念。

本作オリジナルキャラクターである、"ダゴン秘儀教団"の姫様(?)ウシア(マカレナ・ゴメス)がなかなか良かった。会話シーンや儀式シーンで見せる少し拙さを残す喋りが、彼女の"無垢さ"や"幼さ"をよく表現しており好印象。(・・・何より主人公の恋人よりも断然可愛い。)

とまあ、とりとめもなく思ったことを書いてみたが、原作ファンであれば観る価値は十分にある作品。(原作を知らない人には「なんか微妙なB級ホラー」止まりだろうか。)Blu-ray化もされたので、原作ファンには是非とも観ていただきたい。かの有名なクトゥルフを讃える言葉「いあ!いあ!くとぅるぅ ふたぐん!」がメロディ付で聴けるヨ☆

最後に・・・"R.I.P. Stuart Gordon"
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