もとまち

DAGONのもとまちのレビュー・感想・評価

DAGON(2001年製作の映画)
3.8
ヌメヌメベチャベチャとした湿度の高い映画。ラヴクラフトの『インスマウスの影』が原作らしく、チープさを感じるシーンも少なくはないが(特にCGまわり)、あの不気味な世界観を丁寧に再現していると思う。前半、ジメッとした薄暗い漁村の中を、半魚人と化した村人から逃げ回る展開はかなりの緊張感。村人たちに捕らえられ顔面の皮膚を剥がされるシーンもおそろしく、圧巻の特殊メイクで克明に描かれている。絶望的な展開が結構続くが、所々に笑えるユーモアが挟まれるのでそんなに暗い気分にならない。ここらへんは監督スチュアート・ゴードンの手腕だろう。物語は救いのない結末を辿ってしまうが、不思議と幻想的で美しい印象を残す。ダゴンの全貌をもう少し拝みたかったのと、触手ヒロインの存在感が良かった、ということだけ言い残し。
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