Yoshmon

名もなきアフリカの地でのYoshmonのレビュー・感想・評価

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)
3.6
ナチスのユダヤ人迫害のため、アフリカの地へと逃れたとあるユダヤ人一家の実話。

弁護士であった父親と、育ちの良い母親と、その娘レギーナ。
シーンを通して、三人の心情の移り変わりが興味深かった。

父親は家族に先んじて、アフリカはケニアへ発ち生活の基盤をつくる。
ドイツへ戻ることが何を意味するか誰よりも理解出来ている父親は、一家の大黒柱として家族の安全と、安定した生活を確保する為に積極的に現地の人たちと仕事に励む。

母親と娘はその後に続いてやってきたが母親は冷蔵庫を買う為のお金で素敵なドレスを買ってしまうし、着いた当初はアフリカには住めない、帰りたいと不満を募らせる。

そして娘レギーナは誰よりも新しい環境に順応して、現地のこどもたちやオウアという現地で雇った料理人と絆を築いて生きていく。

そんな娘に連れられて、母親も現地民族の儀式を観に行ったり、彼らと触れているうちに心打ち解け、アフリカの生活を愛していくようになる。

最後はちょっと切ないエンディングであったけれど、ユダヤ人とケニア人の触れ合いに心温まる作品。

時に大人は子どもから学ぶこともある。

あからさまな残虐シーンもなく、観やすい奇麗めな作品。
Yoshmon

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