本好きなおじぃ

ゴジラの本好きなおじぃのレビュー・感想・評価

ゴジラ(1984年製作の映画)
4.2
新聞記者の牧がバカンスを楽しんでいたところ、漂流する第五八幡丸を発見。中に入るとそこには、9名の遺体、それに交じって生存者の奥村の姿。そして、巨大なフナムシが牧に襲いかかるが、奥村の助けでなんとか命を落とすのは免れる。
奥村の話では、大黒島で爆発が起こった瞬間、動いた大きな怪獣のようなものが出てきた、ということだった。林田教授が奥村に写真を見せると、「ゴジラ」に間違いないということだった。

ゴジラの30年ぶりの登場は、総理判断で当初伏せられたが、ソ連の原子力潜水艦が撃墜されてしまったことから国際紛争を避けるためにゴジラの存在を公表。直後、静岡県の井浜原発を襲う。
井浜原発ではゴジラが栄養を吸い取るように核物質を摂取(?)し、奥村も鳥の群れに導かれるように海へ向かったと証言した。

そのことから、林田は三原山の火山の中へ落とすことを提案し、超音波によってゴジラを三原山へ誘導することによって幕引きとしようと考えた。政府へ申し入れそれが承認された。

やがて、ゴジラは東京湾より侵入。
東京湾に停泊していたソ連船舶には、ソ連の核弾頭ミサイルの発射装置がついていて、それをゴジラは壊してしまい…
果たして、核兵器が日本で爆発してしまうのか。そしてゴジラを無事に三原山まで誘導できるのか?

―――

1954年の映画と勘違いして取ってしまったこの映画。
見た今となっては、知っている俳優が多く出ていたし、新幹線や東京の街並みが知っているものになんとなく近く感じられて、1954年のものよりは観やすかったように思う。

面白かったのは、三田村総理大臣が、核による攻撃でゴジラを撃退すべき、というアメリカとソ連の外交官の説明に対し、「非核三原則を持ち出すのは日本のエゴイズムだが、核を利用したがるのもエゴイズムなのでは」と問題提起する場面。
時代背景も映している作品だったのだろうか、当時は核の脅威に立ち向かいながらも、政府内部での避難指示に関する混乱や人々の避難の様子など、鬼気迫るものを感じる。

個人的には、あぁぁ首都高が、とか、新幹線そのまま行った方がよかったのにな、とかを画面の前で叫びながら、ゴジラが有楽町から霞が関、新宿へ向かう姿にいささかの感動を覚えたのは、ただ単に東京に行ったことがあるとか、そういうことだけではない、当時にしてはかなり精密でリアルな特撮映画を見たからだろうな、と書きながら感じている。