雷電

平成狸合戦ぽんぽこの雷電のレビュー・感想・評価

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)
3.9
日本人にとってジブリアニメというのは非常に馴染み深いものだが、物心つく前に観賞しているものの記憶としては一切残っていないということが多い気がしている。本作もそんな作品のうちの一つ。子供の時に見た以来だが本当にいつぶりかというのもわからないほど久しぶりに再見。

都市開発によるタヌキ(だけではなくそのほか多くの野生動物)と人間の対決をコミカルに描いているが、実際理解できる歳になって見るととても社会派な作品だなと感じた。というよりも、ジブリ自体がそもそもそう言った提議をアニメーションを通して表現していることが、ここ最近の再見によってお恥ずかしながら初めて気がついた点である。
とても表面的に捉えればタヌキ達可愛いという作品だが、人間という知能が発達したが故に利己的になる業の深さに切なくなる。昨今問題になっている野生のクマが人里に現れては銃殺されるというニュースなんてまさにこの作品が訴えていることのそれに相違ない。
自然との共存は人口が増え続けている地球単位で共通する課題の一つだなと改めて感じた。

信楽焼きなどで広く知られる縁起物のキン◯マまでしっかりと表現しているあたりやはりジブリはジブリなんだなと感心。
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