或る正当性は、或る不当性。
矛盾と不条理に満ちた人間の尊厳を奪う狂った世界の中で、常軌を逸し仄かな明窓を求め滑稽に迷走する喜劇。
地位も名誉も階級も空虚なものだと知ったとき、人間は朱に交われば赤くなっても泥中の蓮の根は深い悲劇。
巨匠〝ロベルト・ロッセリーニ〟と〝ヴィットリオ・デ・シーカ〟の最初で最後の交わりは、闘乱に陥いるネオレアリズモの融合遺伝子によって覚醒する悲喜劇。
この二人の其々の鋭い人物描写や飾らない生々しい情景に心臓を鷲掴み抉られるが、其れ以上に自分は〝ルキノ・ヴィスコンティ〟のリアリズムから来る情愛が好き..★,