雨丘もびり

プロメテウスの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
3.0
【カネドブビンタ宇宙旅行】
15世紀の風刺文学『阿呆船』っぽい文脈で語られる、親殺しの動機としての"親不信"。

「なんで産んだ?なんで殺そうとする?」
エンジニアと人類、人間とロボット、社長と娘、母とグロい新生命体、
創った者と創られた者とが対立する理由が、もやもやと明かされないまま、血まみれの闘争がずーーーっと続くSF映画でした。
不条理劇のように「わからない」ギワクがモンモンと渦巻き、結末まで観客を引っ張っていく力を発揮してた。

私は、その不信感を、こんな大作映画で訴えかけたい心根自体が、よくわかんないんだけどさ(^^;)。
なんとなく、宇宙モノに多く見られる気もする。なんでかね。
オオゲサにしないでふつうに言えばいいのに、と冷めてしまうんだ。

異星人がワケワカランテツガクで人間に関わってくる世界観は好き。

老高年の暴走に巻き込まれ命を落とす若い人たちのニュースが絶えないけど、そんな憤りと虚しさにまみれた世情に、皮肉にも馴染んでしまう一本。

SFモノ苦手な私でも、飽きずに観れた。
ただ、テーマを強く見せたい映画だからか、登場人物たちのドラマがぜんぜん印象に残らないので、そこまでノレなかった。
ノオミラパスとシャーリーズセロンはちゃんと対決するものかと思ってたけどスルー(・_・;)。
冷凍睡眠からの目覚め方の違いで、申し訳程度にキャラクタを描いたことにしました、みたいなシーンの挟み込みがかわいかったです。

3次元の星図はとっても素敵だった☆