このレビューはネタバレを含みます
冒頭数分で、名作であることを確信。
主人公が、愛する妻を置いて逃げる!
仲間も置き去りにして逃げる!
情けない表情で全力で逃げる!
走る!
ゾンビが走る!
甘酸っぱい青春映画のヒロインよりもゾンビが走る!
ひとり全力疾走で逃げる主人公を大量のゾンビが全力疾走で追う!
しかも昼間に!
あぁ、ゾンビ映画のなんと素晴らしいことか。
文字通り腐るほどある作品の中でも、未だに感動を与え続けてくれる。
すまん、思わず熱く語ってしまった。
愛もなけりゃ伏線もない、怒涛のゾンビ映画
別名、"進撃のオトン"
この作品の★5の理由は、ただめちゃくちゃおもしろいから、っていう単純なものではない
よく、現実に対して映画みたい(な現実)的な表現がされることあるけど
それは違うってことがわかった
つまり、"映画が現実みたい"なんだと
ほら、マスクをつけずに外に出ただけで白い目を向けられてたあの数年間
マスクを求めてドラッグストアに群がってた醜い人たち
たかがマスクひとつでそんな有様
ご都合主義も主人公補正も、愛も伏線もこの映画にはない
ただ、だからこそ得られるカタルシスがある
この数年で、ウイルスが広がる恐怖を散々思い知ったはず
今この瞬間が、この作品の前日譚なのかもしれない。