マドリードで医療従事者として働くマヌエラ。ある日女手ひとつで育ててきた息子を事故で失い、悲しみに暮れる。息子の死を別れた夫に伝えるためにバルセロナへ向かい、そこで出会った人々との交流で人生に希望を取り戻していく物語。
気が付いたら25年も前の作品。当時から知っていましたが、何故か今まで見ていなくてU-NEXTでも配信終了が近いということで、ようやくの初鑑賞。
最愛の息子を亡くしたマヌエラが元夫に会いにバルセロナへ向かうと、そこで出会う人々はとにかく癖だらけ。息子が憧れていた女優はレズビアン。その相手も麻薬中毒者。トランスジェンダーやエイズに感染した妊婦。とにかく一筋縄ではいかない事情を抱えた人々。
そんな人たちと過ごすうちにマヌエラにも明るさと希望が見えてくる。派手な描写も演出も無いけど、自然と引き付けられる。作風づくりの巧さが際立っていたと思います。「トーク・トゥ・ハー」「私が、生きる肌」のペドロ・アルモドバル監督の後の作品に繋がる手腕が見えた気がします。
エイズに感染した妊婦のロサを演じたのはペネロペ・クルス。当時24、25歳で美しさがピカイチ。彼女の存在も大きかった。
ひたすらずっと会話劇なので多少好みは分かれる作品でしょう。過度な期待はせずに、じっくりとご覧になってみてください。