鍋レモン

シン・シティの鍋レモンのレビュー・感想・評価

シン・シティ(2005年製作の映画)
4.3
⚪概要と内容
『デスペラード』のロバート・ロドリゲス監督が、アメコミ界の人気者で本作の原作者でもあるフランク・ミラーとタッグを組んだ最高に刺激的なエンターテインメント・ムービー。

“シン・シティ”の住人マーヴ(ミッキー・ローク)は、夢のような美女ゴールディ(ジェイミー・キング)と一夜を共にする。しかし朝目覚めるとゴールディは冷たくなっていた...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“この街では、愛さえも闘い”

「女一人のために死にもすれば殺しもする」

⚪感想
フランク・ミラーによるコミック『シン・シティ』を映画化した作品。 劇中のとあるシーンをクエンティン・タランティーノが引き受けた。

パンフレットを手に入れたので書き直し。

終始白と黒を用いた映像の中に血や口紅など強調したい部分だけをカラーにする斬新なアイデア。
この演出によって映画を観ながらもコミックを読んでいるような不思議な感覚に陥る。しかも、コマ割りを忠実に再現している。
この演出の時点でかなり独特なので好き嫌いは分かれそう。

ハードボイルドでありつつラブストーリーあり、スタイリッシュでパンチの効いたアクションあり。

3人の監督が強い。
フランク・ミラーといえば、『デアデビル』や『300』『シン・シティ』。アメコミやグラフィックノベル界では神的存在。
ロバート・ロドリゲスといえば、『デスペラード』や『マチェーテ・キルズ』。
クエンティン・タランティーノは言わずもがな。
原作者であるフランク・ミラーがいることで原作の良さが保たれ、似た系統の作品を多く担当しているロバート・ロドリゲスが監督を務めることでコミックと映画の良さが合わされ、そこにクエンティン・タランティーノが加わることでスパイスに。

ミッキー・ロークにカーラ・グギノ、イライジャ・ウッド、ルトガー・ハウアー、マイケル・クラーク・ダンカン、ベニチオ・デル・トロ、ブルース・ウィリス、ジェシカ・アルバなど豪華キャスト。

ミッキー・ロークとイライジャ・ウッドは意外なキャスティングだけどピッタリ。

個人的にデボン青木さんが演じたミホが好き。残酷に刀を振り回し、無口。日本刀や手裏剣を模したようなイヤリングとところどころ日本らしさがあって嬉しい。
フランク・ミラーも1番のお気に入りだとか。

吹き替えも安定の良さ。浪川大輔さんや山路和弘さんがいてテンションが上がる。

バラバラのエピソードに見えて内容や人物関係が複雑に絡み合っている練られた作品だからサラッと観るには少し理解しにくいかも。
エピソードを跨いだ友人関係や兄弟関係がある。

時系列だとオープニング→エピソード3→エピソード1→エピソード2→エンディングとなる。
主に3パートでどの作品も大切に思っている女性の為に戦う男性を描いている。

r- 15だけあってグロいシーンがそれなりにある。

フランク・ミラー自身が神父役でカメオ出演していたことにびっくり。
実は『デアデビル』でも出演していたとか。

当初はロアーク・ジュニア、イエローバスタードにレオナルド・ディカプリオ、ジャッキーボーイにジョニー・デップ、ハーティガンにマイケル・ダグラスという予定もあったとか。

今作は大ヒットしたけれど続編は大コケしたとか。作る前にも様々な事で大モメし、出演予定だったクライブ・オーウェンは降板。デヴォン青木さんも妊娠を理由に降板。



⚪以下ネタバレ



以下ストーリー。
エピソード1
マーヴとゴールディ。勝手に犯人に仕立てられたマーヴ。殺人鬼のケビンと戦ったり、ゴールディの双子の姉であるウェンディと出会ったり。さらに元凶であるロアーク枢機卿を倒す。マーヴは処刑となる。マーヴの元にウェンディが訪れるもマーヴはゴールディと勘違いする。その後一夜を共にし、マーヴは電気椅子で死亡。

エピソード2
ドワイトとジャッキーボーイ。ドワイトは恋人のシェリーに手を出すジャッキーボーイをやっつける。しかし、胸騒ぎを覚え追いかける。ジャッキーボーイはドワイトの元恋人のゲイルの元へ。そこは娼婦たちが仕切る町だった。そこでベッキーを連れていこうとするもルールを破ったためミホに殺される。実はジャッキーボーイは警察だったことが判明。娼婦たちもルールを破ったことに。ドワイトはそんな彼女たちを救うため奔走。ベッキーの裏切りがあるも何とか解決。

エピソード3
ハーティガンとナンシー。犯人であるロアーク・ジュニアの父ロアーク上院議員によって連続幼女殺人の容疑を擦り付けられたハーティガン。ハーティガンに助けられたナンシーだけは彼を信じる。それから8年後、続いていたナンシーからの手紙が途絶えたことを知りナンシーに会いにいく。しかしそれは罠だった。さらにロアーク・ジュニアは薬の副作用によってイエローバスタードに変化していた。ナンシーを助けるもハーティガンは自分の死を選ぶことで彼女を守る。

オープニングとエンディングの殺し屋ザ・マン。恐らくベッキーが餌食に。

⚪鑑賞
TSUTAYAのDVDで鑑賞(吹き替え)。(20180226)

⚪パンフレット所持
鍋レモン

鍋レモン